運命
それから何日かは、お父さんとの会話に聡と逢うという話は出なかった。

「お母さん話してくれたのかな?」不安ばかりが募っていた。
そして‥いつの間にか約束の前日になっていた。


『お母さん、お父さんに話してくれた?約束は明日だよ!!』


『お母さんは話しましたよ。そろそろお父さんが帰ってくる時間だから、直接確かめなさい。』


しばらく待っていると、お父さんが帰ってきた。


『ただいま』

私は、玄関まで走ってお父さんを出迎えた。


『おかえりなさい‥。お父さん‥』


『分かってる。明日、話を聞くだけでいいんだろ?』


『お父さん!!ありがとう。じゃあ、明日10時に家に来るように伝えるね』

私はそのまま階段を上り、自分の部屋に入った。
そして聡に電話で今の事を伝えた。


『もしもし、聡?お父さんがね、明日聡に逢ってくれるって!!よかったよ』


『本当か!?愛、何したんだよ?』


『私は何もしてないよ。お母さんからお父さんに話してくれて。』


『そっか。うわぁ~緊張してきた‥』


『明日10時にって約束したから遅れないでね。』


『大丈夫。愛こそ、起きれるのか?(笑)』


『私は‥だ、大丈夫だもん。』


『じゃあ明日、家に着いたら電話するから。』


『うん。待ってる』


『おやすみ』


『おやすみなさい』

私は電話を切った。そして、部屋の窓を開けて夜空を見ながら


『3ヶ月記念日が思い出の記念日になりますように』

そう願った。
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