運命
仕事場に着くと、まだ少し時間の余裕があった。
聡は‥今日は午前中が休みか。電話しようと思ったけど、疲れて寝ていたら‥と思うと出来なかった。結局メールを送ることにした。


「おはよう。明日は、家で夕飯カレーを作ろうって話になったよ。お母さんのアイディア。聡にも手伝ってもらうから覚悟しててね。」

送信して1分も経たないうちに、聡から電話がかかってきた。



『おはよぉ~』

聡の声は眠そうだった。


『ごめん!!起しちゃった‥よね?』


『そんなことないよ。ふわぁ~』

あくびをしていた。


『ほら、あくびしてる!!もう少し寝たら?』


『そうだな。朝から愛の声聞けたし、もう少し寝ようかな』


『何それ~。』


『明日、買出し手伝うよ。どうせ頼まれたんだろ?』


『何で分かるの?』


『いつも近くにいるから。指輪、今してるだろ?』


『うん‥』


『それ、俺の分身だし(笑)』


『聡‥』


『明日のデートコース考えておけよ。前回の埋め合わせするから。』


『本当!?どうしよっかな。』


『そればっか考えてて、仕事どじるなよ』


『あきらこそ!!‥じゃあね』


『じゃあな。』



ガチャ
電話を切った。



その後、今日の仕事は思っていた以上に捗り、定刻時間に終わった。
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