妖魔03(R)〜星霜〜
無敵でない分、光一発で消滅は可能だ。
しかし、倒れて制限時間が終わりを告げてしまう。
「くそ」
どうにかして横を抜けていくしかない。
蔓が延びて襲いかかってくる。
サイドステップでかわしたが、もう一本の蔓が再び襲い掛かる。
蔓は素早い動きを見せているので、子供を抱えた状態だと二回避けるくらいでいっぱいいっぱいだ。
蔓妖魔も容赦なく、上手い具合に蔓を操る。
しかし、三回目が襲ってくる前に、避けている時に拾っておいた石を投げつける。
三回目は石を弾き、隙が出来る。
その間に、俺は横から回って逃げようとする。
「ぐう!」
突然、息が出来なくなった。
「今度は、ウッド、かよ」
何故、よく知っている奴ばかりが俺の目の前に現れるんだ。
俺の葛藤を他所に、隙を狙っていた蔓は肩を射抜いていた。
「いでえ」
注射なんてアウトオブ眼中って程に痛い。
人の皮膚を通るなど硬く出来ているようだ。
痛みと空気を吸えない苦しさが、地獄を表現している。
「へ、へへ」
おかしくなりそうで笑いがこみ上げてくる。
だが、血が抜けたせいで方法を思いついた。
再び、優先順位を狂わせるわけにはいかない。
本当なら、知り合いを殺したいなんて思わない。
誰だってそうだよ。
でも、逃げられないのなら、他の方法がないのなら、やるしかないじゃないか。
あの時のように、俺は無駄に命を散らそうなどとはしない。
俺は死にたくないし、生きなければならない。
チェリーを、無事な場所まで連れて行かなければならないんだ。
それが、約束なんだ。
「悪いな。これ以上、約束を破りたくねえんだ」
刺さった腕で蔓を掴んで、相手の魔力が枯渇するほどに一気に吸い上げた。
しかし、倒れて制限時間が終わりを告げてしまう。
「くそ」
どうにかして横を抜けていくしかない。
蔓が延びて襲いかかってくる。
サイドステップでかわしたが、もう一本の蔓が再び襲い掛かる。
蔓は素早い動きを見せているので、子供を抱えた状態だと二回避けるくらいでいっぱいいっぱいだ。
蔓妖魔も容赦なく、上手い具合に蔓を操る。
しかし、三回目が襲ってくる前に、避けている時に拾っておいた石を投げつける。
三回目は石を弾き、隙が出来る。
その間に、俺は横から回って逃げようとする。
「ぐう!」
突然、息が出来なくなった。
「今度は、ウッド、かよ」
何故、よく知っている奴ばかりが俺の目の前に現れるんだ。
俺の葛藤を他所に、隙を狙っていた蔓は肩を射抜いていた。
「いでえ」
注射なんてアウトオブ眼中って程に痛い。
人の皮膚を通るなど硬く出来ているようだ。
痛みと空気を吸えない苦しさが、地獄を表現している。
「へ、へへ」
おかしくなりそうで笑いがこみ上げてくる。
だが、血が抜けたせいで方法を思いついた。
再び、優先順位を狂わせるわけにはいかない。
本当なら、知り合いを殺したいなんて思わない。
誰だってそうだよ。
でも、逃げられないのなら、他の方法がないのなら、やるしかないじゃないか。
あの時のように、俺は無駄に命を散らそうなどとはしない。
俺は死にたくないし、生きなければならない。
チェリーを、無事な場所まで連れて行かなければならないんだ。
それが、約束なんだ。
「悪いな。これ以上、約束を破りたくねえんだ」
刺さった腕で蔓を掴んで、相手の魔力が枯渇するほどに一気に吸い上げた。