妖魔03(R)〜星霜〜
「ブヒ!」
豚の声が聞こえてくると、続いて格闘している音が聞こえる。
物の擦れる音や、樹の折れる音。
しばらくすると、聞こえなくなった。
そして、歩く音が静かに響いてくる。
「ブヒ」
視界の中に、ブタの顔が見える。
「何で、豚が」
見たところ暴走しているとは思えない。
暴走しているのなら、すぐに俺を襲ってもいいからだ。
豚は俺とチェリーを背に乗せると走り出した。
豚が目的地へ向うために通り過ぎようとしたところで、ウッドの無残な姿を見た。
ウッドの顔にあたる樹の部分が折れており、蔓も引き千切られているようだった。
ここまで強い豚とは、何者なのか。
しかし、思考が続かず、段々と瞼が落ち始める。
「チェリー」
俺はどうなるのだろうか。
解らない。
でも、わかった事が一つだけある。
俺は普通以下の何も出来ない腐ったミカンだったって事だ。
自分を卑下しても何も生み出さないし、愚かだと思う。
でも、事実を述べただけに過ぎない。
きっと俺は何かを守る事なんか出来やしない。
幾度も自分を貶めながら、意識が途絶えた。
豚の声が聞こえてくると、続いて格闘している音が聞こえる。
物の擦れる音や、樹の折れる音。
しばらくすると、聞こえなくなった。
そして、歩く音が静かに響いてくる。
「ブヒ」
視界の中に、ブタの顔が見える。
「何で、豚が」
見たところ暴走しているとは思えない。
暴走しているのなら、すぐに俺を襲ってもいいからだ。
豚は俺とチェリーを背に乗せると走り出した。
豚が目的地へ向うために通り過ぎようとしたところで、ウッドの無残な姿を見た。
ウッドの顔にあたる樹の部分が折れており、蔓も引き千切られているようだった。
ここまで強い豚とは、何者なのか。
しかし、思考が続かず、段々と瞼が落ち始める。
「チェリー」
俺はどうなるのだろうか。
解らない。
でも、わかった事が一つだけある。
俺は普通以下の何も出来ない腐ったミカンだったって事だ。
自分を卑下しても何も生み出さないし、愚かだと思う。
でも、事実を述べただけに過ぎない。
きっと俺は何かを守る事なんか出来やしない。
幾度も自分を貶めながら、意識が途絶えた。