妖魔03(R)〜星霜〜
「ブヒ?」
様子が変だと思っていているのか、ティアは首を傾げている。
「悪い悪い。向こうに人影が見えたんでな」
ティア達に伝える必要はない。
味のしない実を拾い上げて、土を払う。
「見間違いだったぜ」
かじったところに土の侵食はない。
侵食。
今も尚、侵食によって寿命が短くなっている。
ネガティブになりながら、真ん中の筋だけを残してたいらげた。
「美味かったぜ」
疲労が完全に取れていない身体は重いが動くようだ。
約束した四時間は過ぎているだろうが、逆にそれが良かったのかもしれない。
「ティア、お前も寝ろ。しばらくすれば、起こす」
「ブヒ」
明後日の方向を向いているところから、言う事を聞くつもりはないらしい。
「お前は魔力が減っているし、ちゃんと休んでないだろ。少しでも仮眠をとっておけって」
「ブヒ」
頑固なところがあるのか、絶対にいう事を聞こうとしない。
「解ったよ」
無理矢理寝かせるのは不可能か。
今、触れようとしても避けられるのがオチだ。
「確認だけさせてくれ、動けるか?」
「ブヒ」
今のはイエスの返事。
「オーケーだ」
チェリーは今だに眠っているようだ。
「おかあ、さん」
カメリアの夢でも見ているのか。
目元には、辛い思いを表しているような涙が薄らと浮かんでいた。
様子が変だと思っていているのか、ティアは首を傾げている。
「悪い悪い。向こうに人影が見えたんでな」
ティア達に伝える必要はない。
味のしない実を拾い上げて、土を払う。
「見間違いだったぜ」
かじったところに土の侵食はない。
侵食。
今も尚、侵食によって寿命が短くなっている。
ネガティブになりながら、真ん中の筋だけを残してたいらげた。
「美味かったぜ」
疲労が完全に取れていない身体は重いが動くようだ。
約束した四時間は過ぎているだろうが、逆にそれが良かったのかもしれない。
「ティア、お前も寝ろ。しばらくすれば、起こす」
「ブヒ」
明後日の方向を向いているところから、言う事を聞くつもりはないらしい。
「お前は魔力が減っているし、ちゃんと休んでないだろ。少しでも仮眠をとっておけって」
「ブヒ」
頑固なところがあるのか、絶対にいう事を聞こうとしない。
「解ったよ」
無理矢理寝かせるのは不可能か。
今、触れようとしても避けられるのがオチだ。
「確認だけさせてくれ、動けるか?」
「ブヒ」
今のはイエスの返事。
「オーケーだ」
チェリーは今だに眠っているようだ。
「おかあ、さん」
カメリアの夢でも見ているのか。
目元には、辛い思いを表しているような涙が薄らと浮かんでいた。