妖魔03(R)〜星霜〜
「ワレは感覚が鈍かったのう」

横から振るった犀角を校門近くの壁を蹴って、飛び上がり避けます。

「私の事を語っていただけるとは、ウキウキが止まらないですよ」

ナイフを両手に二本ずつ生み出し、4本まとめて投げつけます。

「これで決めたらあああああ!」

上段から下段への射ち落としでナイフを粉砕しました。

その後、犀角で地面を打ちて爆破し、ジェットの如く空中に飛び上がってきます。

急速度で近づいてくる、乾萌黄さんは私の身体を打ち抜こうとします。

しかし、ナイフを投げたのと同時に口の中で針を生成しておきました。

タイミングを計って噴射させていただくと、片手で払いのけます。

隙が出来たのでそのまま降りようとしていた私でした。

しかし。

「決めるいうたやろうがああああああ!」

乾萌黄さんは柄を回転させていたようで、爆破能力がある面を後方にさせていました。

何もないところで爆破させ、勢いよく身体を横回転させます。

「フィギュアの大会に出ればトップクラスですよ」

避ける暇がなければ攻撃するしかありません。

ナイフを投げつけた後に、身体の側面から犀角の攻撃を与えられ骨の折れる音が聞こえてきます。

そして、私は学校の門を越え、飛行機が胴体着陸するように校内への地面に激突して、滑っていきます。

骨の折れた後に身体を焼くような思いをするとは、月のウサギさんも感心してしまいそうですね。

私は身体に違和感を覚えながら、立ち上がります。

片方の腕はモチロンのこと、あばらの骨が折れている事も間違いありません。

その上で、身体の側面が火照って夏気分ですね。

動きにくい体を動かしながらも、校門の外へと向って歩いていきます。

すると、野川さんは膝をついて、乾雲丸さんに頭を下げているように見えますね。

彼女は、靴の汚れでも気になったんでしょうか。

それにしても、乾萌黄さんがやる気満々に死地に送ってくれる事に感謝しなければなりませんね。
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