妖魔03(R)〜星霜〜
「それでも、RESCUE(救う)するか?」

「師匠?」

「雲丸君?」

親子二人が驚いていますね。

「どんなTHING(事)が起きても、私にぶつけたHOTな魂を忘れないか?」

「雲丸君、何を言ってるんですの?」

乾雲丸さんを止めようと、早足で近づいていきます。

「母さん!」

ネズミが猫にじゃれ付くように、乾瑠璃子さんが乾萌黄さんを羽交い絞めにしましたよ。

「離さんかい!オラア!」

振舞わされますが、必死にしがみついています。

それでも、意味が無いようようで、乾萌黄さんが前に進みます。

「死のEDGE(縁)に立たされる状況でも行きたいか?お前の中のSOMETHING(何か)を救えるか?」

「雲丸!ワレは何のために闘ったんじゃ!?止めるためちゃうんか!?」

全てを崩壊へ導く拳を振り上げ、乾雲丸さんに放ちます。

それを、片手で受け止めました。

疲労を負っていても力は強大だったのか、乾雲丸さんの受け止めた手から骨の軋む音が聞こえてきましたよ。

「萌黄」

「雲丸君」

乾雲丸さんの行動によって、乾萌黄さんは落ち着いたようです。

「如何なるTIME(時)でも、GROW(成長)は必要だ」

「子鉄はあなたに負けたんですの。そんな状態で旅立てば、死ぬかもしれないんですわ」

「BIRDCAGE(鳥籠)で飼われる小鳥は、SAFETY(安全)で死ぬ事はない。だが、飼い慣らされた小鳥はWING(羽)を動かす事を忘れ、二度とSKY(空)を見る事は無い」

乾雲丸さんは、握っていた拳から手を離します。

「雲丸君は、それでいいんですの?」

「今在る子鉄は、決してZERO(零)ではない」
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