妖魔03(R)〜星霜〜
マヤ
起きれば、薄汚れたベッドの上で横たわっていた。
背を起こすと、わき腹に痛みが走る。
しかし、気絶する前よりは、痛みは緩やかだ。
包帯が巻かれており、治療が施されているおかげだろう。
「ここは」
天井に設置された蛍光灯が点かず薄暗く、ビルの一室であるという事は確認できた。
業務用の机がある事から、オフィスであった事を物語っている。
「残念アルな。テントが立ってないアル」
入り口に立っているのは白衣姿の広目だった。
そして、広目が指を指す先は私の股間である。
「治療したのは、あなたか?」
「そうアル」
「すまない」
広目の部下に先手を打たれたとはいえ、荒廃した世界で放り出される事無く、治療してもらった事には感謝すべき事だ。
お互いに素性を知らず、私は利益を生み出す人間ではない。
「若いのにテントを作らないなんて、男性ホルモンが足りてないアル」
言葉では想像できないほど、広目の表情は気だるさで満たされている。
「ここはあなたの部屋か?」
「んー、アチシのスポーツジム兼自室アル」
もっと豪華な物を想像したが、有様から見ればそうでもないらしい。
「四派閥の長ともあろう者の暮らしがこれとは、意外だ」
「どこでも夜伽は出来るアル。アチシの住処にしているところに他の奴らが住み着いただけある」
人徳があるのか、部下達が身体を目当てで住み着いているのかは謎だ。
ただ、見知らぬ人間に治療を施す人間だから、慕う人間も出てきておかしくはない。
背を起こすと、わき腹に痛みが走る。
しかし、気絶する前よりは、痛みは緩やかだ。
包帯が巻かれており、治療が施されているおかげだろう。
「ここは」
天井に設置された蛍光灯が点かず薄暗く、ビルの一室であるという事は確認できた。
業務用の机がある事から、オフィスであった事を物語っている。
「残念アルな。テントが立ってないアル」
入り口に立っているのは白衣姿の広目だった。
そして、広目が指を指す先は私の股間である。
「治療したのは、あなたか?」
「そうアル」
「すまない」
広目の部下に先手を打たれたとはいえ、荒廃した世界で放り出される事無く、治療してもらった事には感謝すべき事だ。
お互いに素性を知らず、私は利益を生み出す人間ではない。
「若いのにテントを作らないなんて、男性ホルモンが足りてないアル」
言葉では想像できないほど、広目の表情は気だるさで満たされている。
「ここはあなたの部屋か?」
「んー、アチシのスポーツジム兼自室アル」
もっと豪華な物を想像したが、有様から見ればそうでもないらしい。
「四派閥の長ともあろう者の暮らしがこれとは、意外だ」
「どこでも夜伽は出来るアル。アチシの住処にしているところに他の奴らが住み着いただけある」
人徳があるのか、部下達が身体を目当てで住み着いているのかは謎だ。
ただ、見知らぬ人間に治療を施す人間だから、慕う人間も出てきておかしくはない。