妖魔03(R)〜星霜〜
「総長、師匠はどこに?」
静かになっていた野川さんは、乾雲丸さんの行方が気になっているのでしょうか。
「雲丸君は屋台の整備ですの」
「そういえば、屋台の調子がおかしいとか言ってたわね」
乾雲丸さんは副業でおでん屋の屋台を開いています。
私もおでんを食べさせてもらいましたが、食道の中をどんどん通してもいいくらい美味しかったですね。
ただ、気づいた時には口の中の皮がめくれかえっていましたがね。
「人と接するのが楽しいっていう趣味の部分も含まれてるから、私は止めろとは言えませんの」
「悪くはないけど」
「どうかしましたの?」
奥歯に銀紙でも詰めたような歯切れの悪いものの言い方に、乾さんは気になっているようですね。
「総長、アタシ、丞ちゃんに会いに行きます」
乾さんのコメカミに青筋が一つ立っています。
「総長と約束してたのはわかります。でも、アタシ、会って聞かなくちゃいけないんです」
「約束は守るためにあるものですの」
「美咲と色々あったのも、聞きました。でも、アタシ、最後まで諦めたくないんです」
「あなたは完治したばかりじゃないですの。それに、拘る事はないですの。子鉄とあの子の関係はすでに切れたといってもいいですわ」
「アタシが悪いんです。丞ちゃんの気持ちを守り通す事が出来なかった、何も出来なかったアタシの責任です」
「それは違う。彼の事件を解決しようとした志はよしとしましょう。ですが、子鉄とは別の道を選んでしまったですわ。だから、関わるのは止しなさい」
乾さんには珍しく激昂することなく、諭していますね。
「今、アタシを必要としてるかどうかは解りません。でも、一度だけ、気持ちを聞けばそれでいいんです」
「こういう言い方はしたくありませんが、彼は子鉄の友達と共に行方を晦ましました。それは裏切り行為ですわ。彼の意見など聞く必要はないと思いますの」
野川さんは口を閉じてしまいました。
乾さんは自分の娘の行く末が心配なのでしょう。
静かになっていた野川さんは、乾雲丸さんの行方が気になっているのでしょうか。
「雲丸君は屋台の整備ですの」
「そういえば、屋台の調子がおかしいとか言ってたわね」
乾雲丸さんは副業でおでん屋の屋台を開いています。
私もおでんを食べさせてもらいましたが、食道の中をどんどん通してもいいくらい美味しかったですね。
ただ、気づいた時には口の中の皮がめくれかえっていましたがね。
「人と接するのが楽しいっていう趣味の部分も含まれてるから、私は止めろとは言えませんの」
「悪くはないけど」
「どうかしましたの?」
奥歯に銀紙でも詰めたような歯切れの悪いものの言い方に、乾さんは気になっているようですね。
「総長、アタシ、丞ちゃんに会いに行きます」
乾さんのコメカミに青筋が一つ立っています。
「総長と約束してたのはわかります。でも、アタシ、会って聞かなくちゃいけないんです」
「約束は守るためにあるものですの」
「美咲と色々あったのも、聞きました。でも、アタシ、最後まで諦めたくないんです」
「あなたは完治したばかりじゃないですの。それに、拘る事はないですの。子鉄とあの子の関係はすでに切れたといってもいいですわ」
「アタシが悪いんです。丞ちゃんの気持ちを守り通す事が出来なかった、何も出来なかったアタシの責任です」
「それは違う。彼の事件を解決しようとした志はよしとしましょう。ですが、子鉄とは別の道を選んでしまったですわ。だから、関わるのは止しなさい」
乾さんには珍しく激昂することなく、諭していますね。
「今、アタシを必要としてるかどうかは解りません。でも、一度だけ、気持ちを聞けばそれでいいんです」
「こういう言い方はしたくありませんが、彼は子鉄の友達と共に行方を晦ましました。それは裏切り行為ですわ。彼の意見など聞く必要はないと思いますの」
野川さんは口を閉じてしまいました。
乾さんは自分の娘の行く末が心配なのでしょう。