妖魔03(R)〜星霜〜
「しょうがない。じゃあ、一発」

「女の子に頭を下げさせてさらに要求するなんて、いつから蛍はそんなに頭の悪さを露呈するようになったんだ?」

「洋子、これはな、可愛い子がいたら言わなくちゃならない事だ」

吸いかけのタバコを持って、洞窟の前まで歩いていく。

「お前等、洞窟の前に立て」

俺と空気岩を指定して、親指で洞窟の入り口を指した。

「あんた、俺等を生き埋めにするつもりか」

爆破と共に、葬り去るつもりか。

「なあに、冗談だ」

割と目がマジなのが、癪なところだ。

「給料を倍にしてもらわなんだ、やるせないところだな」

俺達は遠くに避難しておき、親父がタバコを投げると入り口が爆弾によって崩れ去る。

「よし、養女よ、俺と一緒にナイトフィーバーしようか」

「もう、私がいるじゃないか」

拳銃を突きつけながらも、体も密着させる。

「いやあ、モテるねえ」

明らかに喜んでない瞳であるが、ちゃっかり洋子の胸は揉んでいる。

「とにかく、治療、しねえと」

ティアの様子が気になる。

ティアの元に歩いていくと、ぐったりして気を失っている。

しかし、息はちゃんとしているようだ。

「本当に、良かった」

応急手当しかしていない、自分の肩の痛みはない。

「こりゃひどいわね」

洋子が俺の元に来ると、肩の様子を見る。

「ようし、私が腕によりをかけて治療してやろうじゃん」
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