妖魔03(R)〜星霜〜
足音が、どんどん大きくなってくる。
「早く」
子鉄と空気岩が俺の前に立った。
「ここで俺一人が、逃げるわけにはいかねえだろ」
「その子は、どうするの?」
チェリーに目線を移す。
チェリーは元気のないままで、足音の方向を見ていた。
「冷静に考えるのよ」
「だからって、見捨てるような真似、出来ねえよ」
「ここには、蛍さんや洋子さんもいるの、何とかなるわ」
「せっかく会えたのに、嫌だ」
また、遠のいてしまうのか。
「時間がない。もう、傍まで来てる」
どうすればいいんだ。
もし、相手がハンスだとすれば、時間稼ぎをして逃げ切れる可能性もある。
もし、ジャックだとすれば?
向こうが優勢となるルールを決められれば、勝ち目がない。
「主よ、守るべきは弱き者だ」
空気岩でさえ、俺の背中を押す。
「何でだ、何で、こんな世界なんだよ!」
迷っている暇はなかった。
チェリーの手を引いて、子鉄から遠のくように走り出した。
「早く」
子鉄と空気岩が俺の前に立った。
「ここで俺一人が、逃げるわけにはいかねえだろ」
「その子は、どうするの?」
チェリーに目線を移す。
チェリーは元気のないままで、足音の方向を見ていた。
「冷静に考えるのよ」
「だからって、見捨てるような真似、出来ねえよ」
「ここには、蛍さんや洋子さんもいるの、何とかなるわ」
「せっかく会えたのに、嫌だ」
また、遠のいてしまうのか。
「時間がない。もう、傍まで来てる」
どうすればいいんだ。
もし、相手がハンスだとすれば、時間稼ぎをして逃げ切れる可能性もある。
もし、ジャックだとすれば?
向こうが優勢となるルールを決められれば、勝ち目がない。
「主よ、守るべきは弱き者だ」
空気岩でさえ、俺の背中を押す。
「何でだ、何で、こんな世界なんだよ!」
迷っている暇はなかった。
チェリーの手を引いて、子鉄から遠のくように走り出した。