妖魔03(R)〜星霜〜
だから、何だというのだ。

あの能力がなければ、闘えないというわけでもない。

能力に頼る戦いも必要だが、根本的なところから改善しなければならない。

「少し、喉が渇いたのじゃ」

喋らせすぎたかもしれない。

「なら、俺が何か買ってくるよ」

「ワラワも行くぞえ」

「いいっていいって。龍姫には色々と教えてもらったしな」

俺は近くにあるコンビニへと向かっていった。

ポケットの中には財布が入っていたので、物は買える。

数分歩いた近所のコンビニ『ウーマロ』に辿り着く。

ウーマロにどんな意味があるのかはさっぱりである。

「どれにするか」

龍姫のイメージからしてお茶なのだが、子供っぽいところもあるしな。

コーラなんていう意外性をつくのもいいかもしれない。

「これも頼むのじゃ」

「ああ、解った」

隣から渡された紙パックのジュースを受け取った。

一瞬、龍姫にも思われたか、声に違和感を感じる。

隣を見ると、お吟さんが立っていた。

ちゃんとジャージを着ているようだ。

「着いて来てたのか」

「お前の見立てじゃ、まだまだ愛の汁が溢れてこないアル」

ジュースを選ぶだけでも、愛に満ち溢れてなければならないのか。

お吟さんの言っている事は明らかにおかしいんだけどな。
< 345 / 355 >

この作品をシェア

pagetop