妖魔03(R)〜星霜〜
出港
翌日。
俺はげっそりしながら、ビルの前に立っていた。
隣には艶々のお吟さんに、いつもの元気な龍姫がいる。
昨晩、ゲームを途中で切り上げた後、お吟さんは獣と化した。
龍姫だけかと思いきや、俺も巻き込まれる事になる。
しかし、二人とも長生きしているだけあって、タフだった。
「歩いているだけで疲れるって、若者としてはどうなんだろうな」
一歩歩くごとに寿命が縮まっているのではないかと思う。
「丞ちゃん、大丈夫かえ?」
心配そうな言葉をかける割には笑顔だ。
気付けば、お吟さんよりもノリが良かったのは龍姫だったのかもしれない。
やはり、龍姫も侮れないところがある。
「鍛錬が足りないアル。もっと血を滾らせるアル」
お吟さんはまだまだやりたかったのだろうか。
俺は人間としては普通である。
弾は限られており、絶倫ではない。
「これから出るってのに、元気なしじゃ様にならねえな」
背伸びをして、自分を切り替えた。
「うっし、じゃあ、行くか」
「丞ちゃん、これを持って行くが良い」
龍姫から渡されたのは通帳であった。
「おいおい、こんなの渡していいのかよ?」
通帳がなくては生活できないのではないのだろうか。
「ワラワは丞ちゃんの事を信じておるからのう。それに、そこにある金額は全て使ってよい」
通帳の中身は、予想よりもゼロの数が多かった。
何故、これほどの資金があるのか。
「昨晩の事、ワラワには良い思い出じゃ。じゃから、その金額は等価であってもおかしゅうない」
思い出を金で比べるのはどうかと思うのだが、くれるというのなら貰っておくのも悪くない。
逆に遠慮しすぎるほうが、悪い気がしてくる。
俺はげっそりしながら、ビルの前に立っていた。
隣には艶々のお吟さんに、いつもの元気な龍姫がいる。
昨晩、ゲームを途中で切り上げた後、お吟さんは獣と化した。
龍姫だけかと思いきや、俺も巻き込まれる事になる。
しかし、二人とも長生きしているだけあって、タフだった。
「歩いているだけで疲れるって、若者としてはどうなんだろうな」
一歩歩くごとに寿命が縮まっているのではないかと思う。
「丞ちゃん、大丈夫かえ?」
心配そうな言葉をかける割には笑顔だ。
気付けば、お吟さんよりもノリが良かったのは龍姫だったのかもしれない。
やはり、龍姫も侮れないところがある。
「鍛錬が足りないアル。もっと血を滾らせるアル」
お吟さんはまだまだやりたかったのだろうか。
俺は人間としては普通である。
弾は限られており、絶倫ではない。
「これから出るってのに、元気なしじゃ様にならねえな」
背伸びをして、自分を切り替えた。
「うっし、じゃあ、行くか」
「丞ちゃん、これを持って行くが良い」
龍姫から渡されたのは通帳であった。
「おいおい、こんなの渡していいのかよ?」
通帳がなくては生活できないのではないのだろうか。
「ワラワは丞ちゃんの事を信じておるからのう。それに、そこにある金額は全て使ってよい」
通帳の中身は、予想よりもゼロの数が多かった。
何故、これほどの資金があるのか。
「昨晩の事、ワラワには良い思い出じゃ。じゃから、その金額は等価であってもおかしゅうない」
思い出を金で比べるのはどうかと思うのだが、くれるというのなら貰っておくのも悪くない。
逆に遠慮しすぎるほうが、悪い気がしてくる。