妖魔03(R)〜星霜〜
「俺、お前が分からない」
「何?」
「俺、お前を殺そうとした。だが、俺を殺さなかった。そして、お前、俺に頭を下げる。それは敵にする行為ではない」
警戒している姿勢を少しだけ緩めている。
「殺そうとしから敵って決め付けるのは早いと思うぜ。まあ、苦しい思いはしたけどさ。あんたは良い奴じゃないか」
「俺、良い奴?」
「最初は俺が悪いことをしていたんだから、掟のために殺そうっていうのは理解できる。でも、あんたは掟を破ってまで俺を逃してくれた。良い奴以外の何者でもないだろ」
世の中は、やられたらやり返すっていう選択際だけではない。
「俺のところにはこんな言葉があるんだ。昨日の敵は今日の友ってな」
「友、おかしな奴だ」
「かもしれないな。でも、お願いしてるのはこっちなんだ。頭を下げるのは当然といっていい」
何とか解ってもらうために、もう一度頭を下げる。
「どうか頼む!あんたにも迷惑をかけるかもしれない。だけど、世話になった分は返してやりたいんだ。あの世にいるあいつの気持ちを、少しでも楽にしてやりたいんだ!」
これで解ってもらえなければ、魔王の古城に特攻する他なくなってしまう。
無理かもしれないな。
だって、俺は余所者だし、古の水とやらを持っていこうとした男だ。
虫が良すぎるか。
「名前は?」
「え?」
「名前、聞いている」
「葉桜丞」
「変わった名前だ」
少しだけ笑みを浮かべて、警戒を解いた。
「俺、ウッド=ロータス」
「俺を信用してくれるのか?」
「全部じゃない。でも、少しだけ、聞いてやる」
やはり、ウッドに頭を下げてよかったかもしれない。
ウッドは少し警戒心は強いが、純粋であり素直な奴なんだろうな。
「何?」
「俺、お前を殺そうとした。だが、俺を殺さなかった。そして、お前、俺に頭を下げる。それは敵にする行為ではない」
警戒している姿勢を少しだけ緩めている。
「殺そうとしから敵って決め付けるのは早いと思うぜ。まあ、苦しい思いはしたけどさ。あんたは良い奴じゃないか」
「俺、良い奴?」
「最初は俺が悪いことをしていたんだから、掟のために殺そうっていうのは理解できる。でも、あんたは掟を破ってまで俺を逃してくれた。良い奴以外の何者でもないだろ」
世の中は、やられたらやり返すっていう選択際だけではない。
「俺のところにはこんな言葉があるんだ。昨日の敵は今日の友ってな」
「友、おかしな奴だ」
「かもしれないな。でも、お願いしてるのはこっちなんだ。頭を下げるのは当然といっていい」
何とか解ってもらうために、もう一度頭を下げる。
「どうか頼む!あんたにも迷惑をかけるかもしれない。だけど、世話になった分は返してやりたいんだ。あの世にいるあいつの気持ちを、少しでも楽にしてやりたいんだ!」
これで解ってもらえなければ、魔王の古城に特攻する他なくなってしまう。
無理かもしれないな。
だって、俺は余所者だし、古の水とやらを持っていこうとした男だ。
虫が良すぎるか。
「名前は?」
「え?」
「名前、聞いている」
「葉桜丞」
「変わった名前だ」
少しだけ笑みを浮かべて、警戒を解いた。
「俺、ウッド=ロータス」
「俺を信用してくれるのか?」
「全部じゃない。でも、少しだけ、聞いてやる」
やはり、ウッドに頭を下げてよかったかもしれない。
ウッドは少し警戒心は強いが、純粋であり素直な奴なんだろうな。