妖魔03(R)〜星霜〜
住宅から少し離れた仕事場に着くと、見事な畝の畑がいくつか並んでいる。

まだ何かの茎と葉が生えているだけで、実はなっていない。

周りには俺達以外の妖魔達も作業をしているようだ。

「今日、雑草抜き」

「雑草?鍬で作業するんじゃないのか?」

「雑草、無駄。しっかり処分する」

結構、地味な作業が待っていたようだ。

「はあ、やるか」

雑草はそこらへんに生えている。

数は多いとはいえないが、時間がかかってしまいそうだ。

ウッドは別の作業はあるらしく、離れていった。

収穫や植え付け以外にも、やる事はあるということだ。

俺は担当地区の雑草抜きをひたすら行い続けた。

「ぜえ、ぜえ」

何時間経ったのか解らないが、そこそこ抜いたはずだ。

しかし、道のりはまだまだ遠い。

「腰いてえよ」

普通科だった俺にしてみれば、農作業をする事なんてなかった。

農作業には程遠い行為ではあるが、今のところ楽しいとは思えないぞ。

「くそ、やってやらあ!」

肉体作りだと思いながら、俺はスピードを上げて雑草抜いていった。

更に数時間行うと、チェリーが仕事場にやってくる。

「皆ー!昼ご飯だよー!」

時間の事も忘れて、俺は作業に没頭していたようだった。

「完全に、死んだ」

立つ事が辛く感じてしまう、青空の下の俺。

だが、腹の空きように我慢できずに、鞭をビシバシ打ち付けて立ち上がる。

「農家の人は、大変だな」

現代は機械がある分、楽になったんだろうが、手作業でやる事もあるはずだ。

まだ、一部を垣間見ただけに過ぎない。

そんな事を思いながら、昼飯を求めてティアの家に戻った。
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