この声を、君に


『ありがとう』

「ん、ん?何、何て言ってんの?」

すると喋れない私の代わりに風が藤木くんに言ってくれた。

「ありがとう!だって」

「良いね!今度、俺にも手話教えてよ」

始めてだっけ、教えてなんて言われたの…だって手話なんて難しいし、手話が分かる人なんて、めったにいない。

正直嬉しかった。


コクんと頷いた。



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