キラキラ
小さな星のネックレスを揺らしながら、雪音が声を張り上げる。
最近では、やっと雪音も少しは笑顔を見せる。
最初は、何をしていても、感情が見えない表情だった。感情をどこかに置いてきた、とでもいおうか。
バンドの雰囲気は、温かいものではないが、冷たいものでもない。
プライベートなことは全く誰も話さないが、
各々が音を出せば、
全く違う音同士なのに、
素晴らしく溶け合い、そして響き合う。
快感のもう少し先にあるような、何ともいえない感覚だ。
でも。
ドラムから弾むような音を出しながら考える。
これは一種の勘のようなものだが、武弘は、雪音に惹かれているのではないだろうか。
そう考えて、想像にすぎない、と首を振る。
――祐夏は、気付いているのだろうか。
いずれにしても、
祐夏を悲しませるようなことがあったら、
俺は武弘を許さない。