キラキラ
そうして始まった彼女との時間。
彼女はいつも唐突に、脈絡なく話を始める。
星を見るのが好きなこともあって、星にまつわる話が多い。
小学校の時は、一緒にジャングルジムに登り、星を見た――遅くなって親にすごく怒られた――こともあった。
昔のようにパッと笑うことはないけれど、静かに微笑んで話す彼女の凛とした声の響きは、とても心地よかった。
ただ、
時折彼女は、彼女にしかわからない理由で
涙を流す。
女の子の涙は苦手だった。小学校の時も、たまに教室で泣き出す女の子がいたものだけれど、僕は極力関わらないようにしていた。
泣いた女の子に、理屈は通らない。感情が爆発して、自分の我を貫こうとする。
僕は、そういう妙なパワーのあるものが、苦手だった。
しかし、彼女の涙は、そういった類いのものとは対極にあった。
唐突に話を始めるように、唐突に涙が溢れる。
それは、まるで呼吸のような自然さで。
次々に溢れる涙を好きにさせておいて、
声はそれでも凛とした響きで、話を続ける。
僕の返事を聞くと、
少しだけ微笑む。
それだけだ。
けれど、
彼女の唐突に始まる脈絡のない話も、
呼吸のような自然さで溢れる涙も、
凛とした声の響きも、
僕にとっては、大切な時間の一部だった。