キラキラ
「祐夏!」
武弘の肩越しに、青ざめた祐夏の顔が見える。
その後ろには、怒りに顔を紅潮させた敬太がいた。
「武弘!てめぇ!」
敬太がスタジオの中に入ってきて、武弘の胸ぐらを掴む。
「やめて!」
と、叫んだのは
祐夏だった。
驚いた敬太が、殴りかかろうとしていた右手を下ろす。
「雪音…」
泣き笑いのような不思議な表情で、祐夏が私に近付いてくる。
「祐夏…」
私の肩に腕を回し、祐夏が私に身を預ける。
と、その時祐夏が私の耳元でごめんね、と囁いた。
え、と思うと同時に、脇腹よりも少し背中に近いあたりに、鈍い痛みが走る。
祐夏が持っていたナイフが私の体を刺していたことに気付いたのは、スタジオの冷たい床に倒れた後だった。
嫌な汗が吹き出る。
雪音、と誰かが私の名前を呼ぶ。
カチャン、とナイフが床に落ちる音がして、
ぼんやりとした視界から祐夏がいなくなるのが見えた。
――ごめんね、と呟く。
霞んでいく意識の中に、私の名前を叫び続ける武弘の声が小さくなっていく。