キラキラ
一億の星の中でも
ぼやけた視界に映ったのは、見慣れない天井だった。
「…雪音?」
声のする方に視線を向けると、疲れたような顔をした武弘が、私を覗き込む。
「武弘…」
掠れた声しか出ない。
「よかった…。意識が戻れば、医者も大丈夫だって。俺のせいで…本当にごめんな。」
武弘が、苦しそうな顔でそう私に告げた。
そこでやっと思い出した。
「…祐夏は?」
祐夏が心配だった。
彼女が負った傷に比べれば、私の傷など自業自得にすぎない。
「祐夏は…」
意を決したような表情で、武弘が口を開く。
「祐夏は、あの後すぐに外に飛び出して、敬太がそれを追った。説得しようとした敬太を振り切った祐夏は、トラックに跳ねられた。」
思わず身を起こしかけた私を片手で制して、武弘が続ける。
「怪我は大丈夫だ。足を打撲したのと、あとはかすり傷程度だった。ただ…」
武弘が、目をそらせながら言った。
「記憶を、無くしたみたいなんだ。」
頭が真っ白になった。
「事故のショックなのか、精神的なものなのか、医者も判断できないそうだ。でも、俺はあいつの記憶が戻るまで…その先もずっと、あいつの傍にいようと思う。」
真っ直ぐな視線を私に向け、そう言った。