女王様御用達。
彼女の権力を感じさせる高い屋根と廊下。

大理石で作られた光さす明るい空間を、僕は歩く。




飾られた数々の偉人の油絵が飾る壁の中に、彼女がいた。

宇宙を背景にした壮大な絵。

まるで女神のように描かれ、堂々とその風格をまき散らす。




慈悲深くも、何かを計る計算者の目。


その絵の前で足を止める。







「……あなたに言われなくても、僕は僕の意志を貫くだけだ」








今までも。


世界が変わってきたこれからも。




睨み付けるのに飽きると、僕はまた歩き出す。






~女王様御用達、第1話「醜いコッカ」完~ 



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