―続―きゅんきゅん同盟
私と陸の会話を盗み聞きしていた2人が、勢い良く水をかけてきた。
「ばかか!!お前ら!」
「まこたんも陸の前じゃ別人じゃん。教室で城山に切れたまこたんとは大違い!!」
レナの発した『城山』って響きに、私の記憶がよみがえる。
切れたね、確かに。
でもあの時、自分の目指す方向が見えた気がしたんだ。
私はこういうことが許せないんだってわかった。
そして、自分の目標が見えた気がした。
城山先生が、私にひどい点数をつけていたら単位も危うかったんだけどね。
生徒をバカにして、生徒のコンプレックスを指摘して、人前で生徒が嫌がることを言ったり……
とにかく最低な先生だった。
何度も切れたけど、後悔はしていない。
そして、あの時の『私らしさ』をずっと失わずに、教師としてやっていきたい。
そう思えたのは、あのクラスのみんなが、そんな熱すぎる私を受け止めてくれたから。
『俺達はそういう熱い先生を待っていた』
そういう目で私を見てくれたんだよね。