―続―きゅんきゅん同盟
「変わんなよ、まこたん!」
龍之介は会うたびに口癖のようにそう言ってくれた。
変わっていく教師をいっぱい見てきた。
私自身も、生徒達も。
だから、私は龍之介のその言葉をいつも大事に胸の奥に置いておく。
そして、何年経っても龍之介にはその言葉を言ってもらいたい。
もしも、私が変わってしまったとしたら……
変わってしまった私を怒ってくれるのは、あのクラスのみんなだから。
最初はどの先生も熱い想いを持って、生徒と向き合うんだと思う。
でも、出世や、自分の評価など、生徒に関係のないことで、目標が変わってしまったりする。
周りの先生やPTAとの付き合い、いろんなしがらみの中で自分の目指す道が変わってしまうんだ。
「城山って、結局まこたんのこと好きだったんじゃない?」
レナは龍之介の首に両手を巻きつけて、体重を預けていた。
龍之介はレナの腰に手を回し、立ち泳ぎ。
「そうだよな。気に入ってたのは確かだよな。なぁ?陸!!」
龍之介は、からかうように陸に向かってそう言った。