―続―きゅんきゅん同盟
龍之介とレナは追いかけるのをあきらめて、ふたりで仲良く泳いでいた。
陸は突然、浮き輪を奪う。
「きゃあ!!!」
「浮き輪なんかいらねぇだろ」
陸は浮き輪の空気を少し抜いて、自分の脇に挟む。
私は陸の手を掴みながら、必死で立ち泳ぎを試みるけど、全くできない。
「陸~!私泳げないのに」
「俺にくっつけばいいだろ!!」
怒った表情がちょっと照れくさそうな顔に変わる。
「俺は、年下だけど…… お前より泳げるし、ちゃんとお前のこと守ってやれるから」
「陸…… そんなことずっと前からわかってるよ。私は陸に頼ってばかり」
私は両足を陸の太ももに巻きつけて、両手で陸のがっちりした二の腕にくっついた。
「そうなの?」
「うん。私、陸を年下なんて思ってないもん」
「嘘だ」
「嘘じゃない。陸はしっかりしてる。いつも私のこと励ましてくれるもん」
「でも、俺ガキだし。大人の男じゃねぇもん」
スネ出した陸は結構厄介で。
時々こうしていきなりスネたりする。
それもかわいいんだけどね。