―続―きゅんきゅん同盟
「行こうかな。文化祭……」
私が迷い気味にそう言うと、陸のとびっきりの笑顔が目に飛び込んできた。
こんな嬉しそうな笑顔を向けられると、もう迷いなんか消えちゃう。
「一緒に回ろうな!!まこ!!まこと手を繋いで回りてぇ」
「てか、神崎、まじでキャラじゃないし。あんたってそういうヤツだっけ?」
レナは笑いをこらえながら、龍之介の体に砂をかけていく。
龍之介はもうお腹まで砂に埋まっていた。
「うるせーっつうの!!」
照れる陸もかわいい。
陸は本当は素直で甘えん坊な子なんだと思う。
でも、背負っているものが多すぎた。
だから、早く大人にならなきゃいけなかった。
高校生と思えないくらいの落ち着きや冷静さは、陸の家庭環境が影響していたんだと思う。