―続―きゅんきゅん同盟
「かえでちゃんも一緒に回ろうよ」
目を閉じていた龍之介も目を開けて私を見た。
真っ黒な龍之介の肌から白い歯がもれた。
「まこたん、かえでちゃんとももう仲良しなんだ?」
「仲良しってほどじゃないけど……ね??」
陸に助けを求めると、陸は私の肩に手を回した。
「よくできた彼女なんだよ。まこは…… かえでのこともすごく大事にしてくれてさ。でも文化祭は、俺はまこと2人で回りたいだ」
陸……
心の奥では、私もそれを望んでいた。
「神崎は、みんなに自慢したいんでしょ?俺の彼女だ~って!」
陸は、カップの中に残っていた海水をレナにかける。
「悪いかよ!!」
「神崎ファンが確実に減るからいいよね」
神崎ファン……
そうなんだよね。
後輩には、陸のファンクラブがあるとかないとか……
年上の私が一目惚れしちゃうようなルックスなんだから、陸がモテちゃうのは当たり前。
後輩から見れば、特別大人っぽいかっこいい先輩なんだもんね。
「まこたん、心配はいらねぇから。コイツ、全く他の女に興味ないから。陸は、まこたんと俺にしか興味ないんだよな!?」
龍之介が、手を伸ばし、陸の太ももを触った。
「バカか、お前!!キモ!!」
「陸~!俺の陸~」
龍之介と陸は、見ていてホッとする。
心から信頼し合っているように見える。
一生の友達ってなかなかできるものじゃないけど、陸にとって龍之介はそういう存在なんだと思う。