―続―きゅんきゅん同盟
波が近付いてくるように、陸の手が少しずつ近付いてくる。
手が触れた。
何度も手を繋いでいるのに、どうしてこんなにドキドキしちゃうんだろう。
「俺、まこを見てるとドキドキする」
「私もドキドキする」
「性格が好きなんだけど、やっぱり全部が好きで……触れたいって思ったり、キスしたいって思ったり…… これを性欲とは呼びたくないんだ」
陸は本当に大人だ。
大人でもなかなかそんなこと言えない。
「高校生だし、そりゃ頭の中エッチなこといっぱいだけど、そういう欲求とは違って…… ただ抱きたいとかそういうのじゃなくってさ。でも、結局はまこを抱きたいっていつも思ってる俺がいて」
私は触れていた手をぎゅっと握った。
自分自身の感情と闘っている陸が本当に愛しかった。
そんなこと悩まなくていいんだよ。
自然なこと。