―続―きゅんきゅん同盟
■文化祭
ホストな陸
絶対に叶わない夢だけど、できることならもう一度陸がいる教室で「先生」をしてみたい。
優しい微笑みを浮かべた陸が、私のホームルームを聞きながら頷いてくれる。
やっぱりあの時感じた気持ちは今も薄れることなく私の心に残っている。
大好きな場所だけど、なかなか近づけなかった場所でもある。
母校。
今では、自分の高校時代の思い出よりも、あの教育実習の期間の思い出の方が色濃くなっている。
短い間だったけど、本当に中身の濃い時間だった。
青春だった。
本気で変装しようかと考えたくらい私は文化祭へ行くことに緊張していた。
たくさん人がいるんだから、私が誰だかなんてわからないよねって自分に言い聞かせるんだけど、もしかして……!?って勝手に有名人になった気分になったり。
10時。
一般のお客さんの入場が始まる。