―続―きゅんきゅん同盟
「いらっしゃいませ。ご指名ありがとうございます」
いきなり目の前に現れたのは、クラスの委員をしていた男の子。
髪が伸びて、まるで別人。
「へ?指名してません」
きょとんとしていると、クラス委員の後ろからニョキっと顔を出した陸。
「おせーんだよ。早くこっち来いよ」
陸のドスのきいた声。
みんなが笑い出す。
いつもの陸のような、いつもじゃないような。
「お客様、こちらへどうぞ。わたくしがご案内します」
またまた誰かが私に手を差し出した。
「龍之介君!!」
龍之介はメイクをしているようで、本当にキラキラした瞳で美少年だった。
「ほら、こっち来い!」
もちろん私は、クールなツンデレ様の元に。
強引に腕を引っ張る陸。
陸の顔をじっと見る。
髪型がいつもと違う。
ワックスでツンツンに立たせた髪には、ラメが光っている。
内心、誰がこの髪を作ったんだろうってまた嫉妬したりして。
真っ黒にシルバーのラインが入ったスーツ。
シャツは、真っ赤。
普段は付けない指輪まで付けてたりして。
本格的過ぎて、私はドキドキしっぱなしだった。