幕末伝 新撰組日記
「おっ、皆ここにおるんか。丁度ええな」



と、まささんと入れ替わる様にやって来たのは、俺の監察の先輩、山崎さんだった



「なんか分からんが、玄関で原田さんが血塗れでぶっ倒れてたで?」



山崎さんの背中には、血塗れの原田さんがいた

…ご臨終か?



「うぅ…」



原田さんはうめき声をあげる



「一応生きてるな」



藤堂さんは冷ややかに言う



「と、取りあえず、部屋に運ぼうか。丞君、行けるかい?」



「うーん…原田さん並みの生命力ならこのままでも平気だと思うんやけどなぁ……」



いやいや駄目でしょ山崎さん

どう考えてもこのままじゃ死ぬし…

あんた「俺は新撰組の医者やで!」って自分で前に言ってたじゃん



「まあ本音面倒なだけなんやけどなぁ」



「本音言っちゃったよこの人」



「いっその事、楽に逝かせるって手もアリだしな」



「おっ、それええな。よし、では早速…」



と、山崎さんはクナイを床に降ろした原田さんの首にそえる



「わわわ!止めて下さいよ山崎さん!」



本当にこの人ならやりかねん!



「えー…珀はケチやなぁ。これからが楽しみやっちゅうのに…」



「どんな楽しみだ!兎に角、これは没収です!」



と、俺は必死に山崎さんのクナイを奪った



「……まぁええわ。まだ道具なら沢山ある事やし」



と、今度はどこからか、鎌を出してきた



「なななななんでそんな物持ってんですか!?と言うより原田さんを殺すなー!!」
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