幕末伝 新撰組日記
「よしっ、じゃあ食うか!」


原田さんが隣で言う

あれから漸く飯の支度が出来上がり、隊士の皆さんを呼び集め、食べ始めた

ちなみに原田さんは、ここに帰って来る頃には、目を輝かせながら御膳の前に座っていた。本当に、この人の回復力は恐ろしい

永倉さんは、あれっきり帰ってない

………飯、取っておかなきゃ、原田さんに食われちまうなあ……と、俺は思った



「オイ珀!」



「ギャン!」



後ろから頭にゲンコツをくらわされた



「てめえ、この鮭はどう言う事だっ!言ってみろ!」



「ってえ………一体なんですか土方さん」



この人物こそ、鬼の中の鬼、副長・土方歳三だ

ちょーーーーっとでも気に入らない事があったら、(一定の人を除き)全ての者に鉄拳をくらわせる、凶暴兼暴力的な人だ

ああ………朝っぱらからどうして俺は……泣きたくなってきた



「てめっ、この鮭全然味付けされてねえぞ!俺はこんな味っ気のねえ鮭は大嫌いなんだ!」



「知りませんよ!大体、土方さんの鮭は味付け、他のやつより数倍濃いですよ!?」



今日は鮭の味付けが薄かったとか言う理由で殴られた

この人は濃い味の物しか食べないタイプで、それに加え好き嫌いも多く、なかなか文句を言わずに食ってくれない

今日の鮭なんて、塩十振りもいれたぞ!!



「知るか!!罰としてお前は今日、剣術・槍術・忍術の練習メニューを一日中やってもらう!!」



「げええぇぇ!!」



恐怖の練習メニュー…土方さんが罰としてよくやる手だ

だが今日は剣術・槍術・忍術だけだ…酷い時はこれに加えて柔術・馬術・弓術…オマケに勉強まで入ってくるからな…

でも、一日中はやりすぎだと思う
< 13 / 13 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

新撰組 浅葱の衣を纏う者

総文字数/2,771

恋愛(その他)6ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop