幕末伝 新撰組日記
先程焦げた鮭以外は無事焼けた

つまり焦げた鮭は俺の朝飯になるのである

恐らくこの恨みは一週間は忘れないだろう



「じゃあ運ぼうか珀君」



「はい源さん!」



俺は源さんと毎日、作った朝飯を食事場である広間に運ぶ

魁さんは、今日は食後の菓子を作っており、台所に残った



「途中で転ぶ事を祈ります。珀限定で」



「転ばない事を祈って下さいよ!」



そう沖田さんに台所を出る間際、意地悪そうに言われた









▲▲▲▲▲▲▲▲



「まったく、なんで沖田さんってあんな事しか言えないんでしょうね」



「まあまあ、いつもの事じゃないか」



「そりゃそうですけど…」



俺と源さんは廊下でお盆を持ちながら話していた


どうも納得がいかない


そもそもの話、あの人が人に優しくした所なんて見たことがない


しいて言うなら町娘の人達に「偽りの笑顔」で優しく接している所だろうか


だいたい、あの人の「本当の笑顔」は人を虐めてる時しか出ないだろう



そんな事を俺は考え、盛大なため息をついた
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