◆小悪魔素直
次の日。


俺は、朝早くに家を出た。


俺が所属するサッカー部の朝練があるから。


サッカー部は結構人気があって、人数が多い。


だから、基本は3年生がレギュラー。


でも俺は、日頃頑張ってるからかレギュラーに入れてもらってる。


嬉しいけど、そのぶん顧問の指導が厳しいからちょっとキツイんだよなぁ。















昨日のこともあってなんだか気分が乗らないまま、学校についた。



「おっはー光ちゃん!なんかひょーじょー暗くなーい?」



まだ朝だってのに、でっけぇ声で話しかけてくるのは、

名田修 17歳。


同じサッカー部の部員で、昔からの親友。


世に言う“腐れ縁”ってやつなのかな。








「どうしたのー?なんか言ってよー!」



テンションが低い俺に、もっとでっかい声で話しかけてくる。



修は、俺のテンションの低さに気付かないのかな。


バカだ。


伸ばし棒が多いあたりがまじでバカ。




「…うるせ」




言い方はちょっとキツイけど、こいつにはこのぐらい言っておかないと。



そう自分の中で思ったとき、修がまたまた声をあげた。



「わ~かった!美樹ちゃんとなんかあったんじゃなーい?」






修、なんでお前は微妙に鋭いんだろう。






「よしっ!この修様が相談に乗ってやろー!」



最初は、するわけねぇだろ。と思った。


でも…修なら信用できっかな。



そう思った俺は、昨日の出来事をなるべく事細かに伝えた。




「…ってかんじ。」



「…なんか、こんなこと言ってもなーって感じだけど…
光ちゃんたちって、本当にカップル?」




俺が話し終わってから数秒経った後、修が言った言葉。



なんだか、胸に刺さった気がした。



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