◆小悪魔素直
廊下にでた時に聞こえてきた。



「彼女がいようがなんだろうが、あたしに勝てるわけないじゃぁ~ん!」



鈍器で頭がなぐられたかんじ。

確かにあたしは、あの子みたいに可愛くないし、素直に甘えられない。



分かってるから、余計辛いの。





視界をにじませる涙には、気づかないことにしよう。
















その日、結局授業を受けずにずっと屋上ですごした。



そのまま帰っちゃおうとも思ったけど、きっと光汰が心配する。

そう思ってやめた。






やっぱり光汰は、こんなあたしよりかわいいあの子のがいいのかな。




今は、あたしが好きでも、あの子が告白すればきっと…

光汰はあたしの傍からいなくいなる。





そんなことばっかり考えてた。

だから、今日光汰と帰るのは、全然楽しくなかった。



今冷たくあしらえば、きっと光汰はあたしに別れをつげてくれる。






いつもとちがう空気を察したのか、光汰は自分から話さなくなった。



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