白い魔法
「……外に…出たい」
そんなこと無理だとわかっている
私はふっ、と笑った
ゴーン、ゴーン、ゴーン…
鏡に触れたまま、時計に目をやると針は0時を刺していた
その瞬間
世界が歪んだ
鏡に触れている右手が恐ろしいほど冷たい
ハッとして鏡を見ると私の右手は、
いや、すでに右腕は鏡の中へ引きずりこまれていた
「いやっ!!!?
お母さ……………っっ!!」
私の体はすっぽりと冷たい鏡の中へと入っていった