ゴーストな彼

通販番組が終わると
悠はTVを消して
こっちに向かって
歩いて来た


「ハイ・・・」


あたしは悠に
電話の子機を差し出した


「?」


頭の上に
ハテナ?の文字を浮かべる悠


「注文すんでしょ?」


「プッ!プププ!」


悠は笑いながら

「アンタおもしろいね!
 じゃ、配達先はココでイイ?」


「ダメ!」


「ちぇー!」


悠は口を尖らせ
あたしの手元にリモコンを置いた


「じゃ、オレ行く・・・」


悠は右手をあげ
リビングの壁をすり抜け消えた
< 10 / 124 >

この作品をシェア

pagetop