ゴーストな彼
家に帰ると
悠が心配そうに
近づいてきた

「お帰り!」

「なんか・・・
 あんたがいても全然
 違和感なくなってきた・・・」

「彼女・・・
 何か言ってた?」

「彼女って・・・?
 ああ・・・霊安室の・・・
 何か・・・
 とり憑かれたように
 彼女の葬儀に
 参列してきたんだけど
 彼女の婚約者が
 絡んでるみたいなの・・・
 それをあたしに
 訴えていたみたい・・・」

「向こうの意思を
 勘違いしないように
 気を付けないとね・・・」

「どういう意味?」

「本当にあんたを使って
 彼を殺そうとしてるかも
 とり憑かれたあんたは
 殺人者って訳・・・」

「自分の意思が
 保てないなら
 これ以上首を
 突っ込まない方がいい」

「何よ!あたしは
 ものすごい力を
 持ってるんじゃないの?」

「力を持ってるだけで
 使い方なんか
 知らないだろう?
 彼女の恨みの念は
 相当なもんなんだよ!」

「そんな事知らない!
 もぉ~!
 あたしの頭を
 これ以上
 混乱させないで!!」
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