ゴーストな彼
あたしは仏間に通された
遺影の中の悠が
微笑んでいる
周りには
小さい頃の悠や
悠の大好きだった物が
所狭しと並べられていた

悠にお線香をあげると
涙が出てきた・・・

「何で泣いてんの?・・・」

「何でもない・・・

 あんたが生きてた証
 ここにはいっぱいあるね・・・
 それを見てたら・・・
 なんだか泣けてきた・・・」

「ふ~ん・・・」

悠はそのまま黙って
自分の遺影を見つめている

悠の母親が
お茶を持ってきた

「すいません・・・
 こんな時間に・・・
 どうぞおかまいなく・・・」

「いいのよ・・・
 悠のお友達なら
 いつでも大歓迎よ・・・」

「様子見て俺の部屋を
 見たいとか言って
 俺の部屋に行って!」

悠が耳元でささやく・・・
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