ゴーストな彼
「美咲・・・
 立川 玲子さん・・・
 この人が
 美咲の命の恩人だよ・・・
 彼女が教えてくれたの・・・」

美咲は丁寧に
お焼香を済ませた

帰り際・・・

玲子さんのお母さんは

「玲子の気配を感じるわ・・・
 あなた達が来てくれて
 きっと喜んでいるのね・・・」

改めて思った

やっぱり母親ってすごい・・・

例え姿・形が
見えなくたって
自分のお腹を痛めた
我が子からの信号を
必死で感じ取ってる・・・

家の奥の方を見ると
彼女が立っていた

でも あたしが前に見た
生々しい彼女の姿ではなく
色白で細身の
きれいな顔をした
彼女だった

「もうすぐ・・・
 上がるんだね・・・」

あたしは彼女に
そう言った
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