ゴーストな彼
「オレのせいかよ・・・」
「ま、でも
そんだけ力が強ければ
いずれは霊力にやられ
自ら死を選ぶことに
なってたじゃろぅ・・・
遅かれ早かれ死ぬ運命なら
若い内に死んだ方が
みんなの心にいつまでも
若々しいオマエさんが遺る・・・
こんな老いぼれて死んでも
みんなの心に遺るのは
たたのボケ老人じゃわい・・・」
「自ら死ぬ?オレが?」
「・・・ぁぁ」
「力を授けられた人間はいずれ
その力が開花する時
自分が興味あろうがなかろうが
その道へすすまねばならん
霊の声を聞き
霊を導きあの世へと
送ってやらねばならん
それを無視して自分の力に
気付かぬ振りをして
封じ込めていると
やがて己の魂が自分の力に
食い尽くされ
オマエの魂を支配する
そうなったら人はおしまいじゃ
ま、それを
人や医者はノイローゼやうつという
便利な言葉で
片付けてしまうんじゃが・・・」
「・・・・・」
「じゃ・・・
ワシは行くぞ・・・
こんな力の強いオマエさんと
喋ってるだけで
なんぎだわい・・・」
おじいさんは再び歩き出した