ゴーストな彼

そして女が
悠の姿に気付く


 ぉ!気付いた♪
 悲鳴か?悲鳴をあげる?


悠が女の悲鳴を期待し
耳を塞ぐ

しかし女は
クルリと後ろを向き
部屋を出て行こうとする

 ぁ、待って!!


そう呼び止めるハズだったのに


「キミ・・・
 
 オレノコト
 
 ミエテイルヨネ・・・」


逆に怖がらせるような
声のトーンで彼女の耳元で
囁いてしまった


 ダァー・・・
 違うって・・・


慌てる悠・・・

女は一瞬、悠の声に
足を止めたが再び
ドアに向かい歩き出す

その時 突然
悠の手元にバイオリンが光る


 コレ・・・


それは母が
悠の棺の中に
入れてくれたバイオリンだった


悠はバイオリンを構えると
いつもの調子で
バイオリンを弾きならした



女が驚いた表情で
振り返る


「ほらね!
 やっぱり 見えてる・・・」

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