ゴーストな彼

女が湯船の中で

「このままずーっと
 浸かっていたい♪」


なーんて言うからつい


ばぁさんみたく
フニャフニャになると忠告したら


女は ものスゴイ悲鳴をあげた


それって
さっきオレを見た時が
正解じゃね?

って思ったのもつかの間
女は手当たり次第に
いろんな物をオレに
投げつけてくる


全てのモノはオレの体をすり抜け
浴室の壁にガコンガコンと当たる


ただでさえ真夜中で
物音が響くっていうのに・・・


オレは慌てて浴室を飛び出し
女の部屋を飛び出した・・・


 こぇーーー!
 今さら 女の裸なんか・・・

 そっか・・・
 オレもう・・・
 女を抱くコトも出来ないんだな


不意に虚しさが
心のすき間を吹き抜ける
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