ゴーストな彼

「ﾀﾞﾒだよ・・・小杉さん
　早く、体に戻って・・・」


あたしが慌てて
小杉さんの元に近付くと


小杉さんは何度も


「ありがとう。
　
　ありがとう。」と


口元を動かした


そして小杉さんは
ICU室の壁を通り抜け
どこかへ行ってしまった


あたしはﾊｯとして
ﾍﾞｯﾄﾞに横になってる
小杉さんに呼びかけた


「小杉さん！
　小杉さん！！」


その直後


ピーーーー！


周りの機器たちが
小杉さんの
容体の急変を知らせる