ゴーストな彼

「ちゃんと・・・
 話し合ってみたら?」


美咲があたしの顔を覗き込む


「もう!!聡の話は
 どうでもいいの!
 今日は他にも
 話したいコトがあって
 呼んだんだから・・・」


「他に話したいコト?」


「ぅん、実はね・・・」


あたしの真剣な顔に
美咲も真剣な表情で聞き入る


「昨日、帰ったら
 うちにイケメンがいて・・・」


「?」


「でね、その子
 「悠」って
 名前なんだけど・・・・」


「悠くん?」


「・・・ぃなの・・・」


「ぇ?何?聞こえなかった」


「それがね・・・
 幽霊なの・・・」


あたしの大真面目な顔に

キョトンと目が点な美咲




すると美咲は
大きな瞳をウルウルさせて


「かわいそうな麻紀・・・
 
 あの激務に
 聡さんの問題だもんね・・・
 そりゃ現実逃避も
 したくなるよね・・・

美咲は哀れみの目を
あたしに向ける


「その哀れみの目ヤメテ!
 
 あ~もぉ~!!
 本当なんだってばぁー!」
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