ゴーストな彼

真紀は青い顔で
同僚の女としゃべっている


「早くしないと
 申し送り始まっちゃうよ」


同僚の声に
慌てて着替える真紀

部屋を出る時も
周りをキョロキョロと落ち着かない


 あの作業着の男を
 警戒してんのか・・・

 勘はいいんだな



病院内には
オレと同じヤツらが
いっぱいいた

それは・・・

ココにいる患者や
スタッフの数をたしても
そいつらの方がはるかに
上回ってる程に・・・


 やっぱ病院って
 結構いるもんだな
 

オレは昔からよく
具合が悪くて病院に来ると
ますます体調を悪化させた


 こんなに負のエネルギーが
 渦巻いてれば当たり前か・・・


病院内には
老人から小さな子供まで
いろんな霊がいたる所に
ボーと突っ立っている


 ゲッ!あの医者
 背中に2人も
 ナース背負ってる・・・
 

オレの前を足早に
通り過ぎて行く医者の
背中には2体のナース霊が
薄気味悪い顔で
オレを見下ろして行く



真紀がふて腐れた顔で
荷台を押して歩いてく


 ドコ行くんだ?


オレは真紀の後を追う
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