ゴーストな彼

エレベーターで
上の階に戻ると
息苦しさは
さっきの何倍も解消された


「ふぅ・・・」


真紀も息苦しかったのか
大きく深呼吸する


「ね・・・
 
 誰だったの・・・?
 第二安置にいた人・・・」


真紀は荷台を押しながら
真剣な表情で
横に並ぶオレに小声で聞いた


オレはなるべく平静を装い
フツーに答える


「女の人・・・
 殺されちゃったみたいね・・・
 ものスゴイ念だったから・・・
 ココに居つくかも・・・」


正直に答えてやったのに
真紀は突然、怒りだす



「変なコト言わないでよ!
 今日はただでさえ
 朝から変なのに・・・」


大声で言った後
真紀はハッとして
周りを見渡す



他の人たちの白い目・・・


当然だ・・・

オレは他の人には
見えてないんだから



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