ゴーストな彼
「やっぱり...」
「?」
「ゆ、幽霊なの?」
「ぅん!!」
ぅん!!って...(汗)
幽霊ならもっと
オドロオドロしいもんじゃないの?
見たいTVって...
「てか...
幽霊がTVなんか見んの?」
「ぁー
幽霊、バカにした」
「ち、違うよ
ぁたしはただ...」
相手が死んでるだけに
言葉を慎重に選んでしまう
何であたしが
幽霊なんかに気を遣って...
「じゃ、ただの
通りすがりの幽霊が
TVが見たさに偶然
あたしの家に入ったってこと?」
「ぅん」
ぅんって...
「でもさ~
ここのTV壊れちゃってて
全然、映らないんだよね」
「ぇ、うそ!!」
あたしは慌ててリモコンを操作する
TVはザーーーと
砂嵐の音を出している
本当だ...
「ね~
配線かなぁ~」
おかしいなぁ
今朝まで何ともなく
観れていたのに...
「ま、気にしなくていいよ
砂嵐の音も結構好きだから」
「こんな雑音が?」
「ぅん
まぁ、後で配線も見とくから
俺の事は気にしなくていいよ」
気にしなくて...って...
気にしないこうとした
あたしを呼び止めたのは
あんたでしょうが...