ゴーストな彼


「やっぱり...」


「?」


「ゆ、幽霊なの?」


「ぅん!!」


 ぅん!!って...(汗)

 幽霊ならもっと
 オドロオドロしいもんじゃないの?

 見たいTVって...


「てか...
 幽霊がTVなんか見んの?」


「ぁー
 幽霊、バカにした」


「ち、違うよ

 ぁたしはただ...」


相手が死んでるだけに
言葉を慎重に選んでしまう


 何であたしが
 幽霊なんかに気を遣って...


「じゃ、ただの
 通りすがりの幽霊が
 TVが見たさに偶然
 あたしの家に入ったってこと?」


「ぅん」


 ぅんって...


「でもさ~
 ここのTV壊れちゃってて
 全然、映らないんだよね」



「ぇ、うそ!!」


あたしは慌ててリモコンを操作する


TVはザーーーと
砂嵐の音を出している



 本当だ...


「ね~
 配線かなぁ~」


 おかしいなぁ
 今朝まで何ともなく
 観れていたのに...



「ま、気にしなくていいよ
 砂嵐の音も結構好きだから」


「こんな雑音が?」


「ぅん

 まぁ、後で配線も見とくから
 俺の事は気にしなくていいよ」


 気にしなくて...って...
 
 気にしないこうとした
 あたしを呼び止めたのは
 あんたでしょうが...
< 7 / 124 >

この作品をシェア

pagetop