ゴーストな彼
「何?転職すんの?」
「生きてる人間を
救うのも難しいのに
この上
死んだ人の面倒まで
見てられない!!
せっかく憧れの
看護師になれたって
いうのに・・・
こんな理由で辞める事に
なるなんて思っても
みなかった!」
あたしは訳の分らないイライラを
悠にぶつける
「あのさ・・・
俺のせいって
言ってるように
聞こえんだけど・・・」
「そうよ!
アンタのせいじゃなきゃ
一体、誰のせいなのよ!
アンタが・・・
あたしの前なんかに
現れるから・・・」
「でも・・・
あんたもともと
ものすごい力を持った
霊媒体質だよ・・・」
「そんなこと無い!!
昔、おばぁちゃんが
亡くなった時・・・
幽霊でもいいから
出てきてって・・・
何度お願いしても
おばぁちゃんは
ただの一度も
出てこなかった
それに・・・
今まで一度も幽霊なんて
見たことないもの・・・」