ゴーストな彼

静かにあたしの話を
聞いていた悠が口を開く


「オレ・・・
 死んでから
 気付いたコトがある・・」


「?」


「自分の人生に
 悔いのない人や
 穏やかな死期を
 迎えられた人たちは
 この世に未練がないから
 魂が残らないんだ・・・
 
 悔いがある人たちはみな
 死んでからも色々な
 しがらみに囚われて
 その場から動けずに
 思念が残る・・・

 見た所、真紀の近くに
 おばあさんの姿は
 見当たらないようだし
 おばあさんは
 悔いを遺すコトなく
 穏やかな死期を
 迎えられたんだと思うよ」


「そうなのかなぁ・・・」


あたしはそっと
涙を拭う

幽霊の悠に
そう言ってもらうと
何だか少し
気が楽になった気がした

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