ゴーストな彼

しばらく
TVを見ていた悠が
突然、険しい表情で
辺りを警戒し始める


「ちょっと・・・何?
 脅かさないでよ
 そんな怖い顔して・・・」


「・・・シッ!」


悠は人差し指を口に当て

そしてスゥーと姿を消した


「・・悠?
 
 もう・・・
 いい加減にしてよ・・・」


悠の気配は完全に
部屋から消えていた


「アイツ・・・
 
 すり抜けるだけじゃなく
 姿も消せるってワケね・・・
 
 ったく・・・
 油断も隙もない・・・」


あたしはノイズが消え
鮮明に映り始めたTVの
チャンネルを変える

だが、次の瞬間!!

今まで以上にすごい
ノイズがTVの画面を
覆いつくす


「・・・ったく
 アイツ本当にTV
 壊したんじゃないの?」


あたしはほとんど
映像を映さなくなった
TVの電源を切った
 

その瞬間・・・

背後にいや~な
空気を感じる・・・


背後から何者かが
迫りくる威圧感に
あたしは振り向く事が
できない・・・


「何?何がいるの?」
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